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2023年11月24日

溢奏(いっそう) ラフマニノフに聴く演奏の極意

ラフマニノフ国際ピアノコンクールの覇者が、正教をとおして見出したロシア・クラシック音楽の真髄。

著者 土田 定克 編著
ジャンル クラシック音楽
出版年月日 2023/12/19
ISBN 9784865981100
判型・ページ数 四六判・304ページ
定価 2970円(税込)
在庫 在庫あり
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内容説明

ラフマニノフ国際ピアノコンクールの覇者が、正教をとおして見出したロシア・クラシック音楽の真髄。

好評を博した『ラフマニノフを弾け』の姉妹版、ついに刊行! その後、7年間にわたる思索の軌跡。多くの人を魅了してやまないラフマニノフの音楽は、正教を抜きにしては語れない。本書では、ラフマニノフをはじめとするロシアの偉大な音楽家、音楽学者たちの声に耳を傾け、その根底に流れる信仰の心を深く感じとり、音楽とは何か、音楽家の使命とは何かを追求していく。自筆論文3本、和訳論文4本を収録。巻末には、正教の聖人やロシアの詩人の深遠な言葉も掲載。
弾くことの意味を求めるあなたへ贈る、精神的な道しるべとなる一冊。

【編著者より】
ピアノを弾く。その向こうに、何があるのか。何を観て、何のために弾くのか。
この問いは「何のために生きるのか」という問いに直結する。目的が人生のすべてを変える以上、どういう目的を持つかが肝心だ。
キリスト教は、天国という目的を持てと教える。それは力づくで奪うもの(マタイ11:12)、つまり努力して得るものであり、しかも、わたしたちの内にある(ルカ17:21)、という。
ピアノは心で弾くものであって、頭や指で弾くものではない。心から音楽が溢れてくるにはどうしたらいいのか、その点を追求した成果が一冊の本になった。自分で書いた論文だけでなく、このテーマに関するロシア語の文献も和訳した。ラフマニノフ著「優れたピアノ演奏に典型的な10の特長」も入っている。「音楽――それは愛!」とラフマニノフは言う。そういう演奏を目指す方は、ぜひ一度手に取って読んでみていただきたい。

《目次》
第1章 音楽の創造力の探求(土田定克)
第2章 ラフマニノフの芥子種(土田定克)
第3章 ロシア音楽のロゴスへの道(ガリマ・ルキナ)
第4章 音楽と存在にみる天の闡明 (ヴャチェスラフ・メドゥシェフスキー)
第5章 優れたピアノ演奏に典型的な10 の特長 (セルゲイ・ラフマニノフ)
第6章 神父と信徒芸術家 (聖イグナティ・ブリャンチャニノフ)
第7章 永遠の愛を宣べ伝えるために(土田定克)
付録1 『修行訓話』抜粋集(シリアの聖イサアク)
付録2 ロシアの十字架(ニコライ・メリニコフ)

著者、土田定克氏によるピアノ演奏を下記の動画でご覧いただけます。
「ラフマニノフ生誕150周年記念コンサート(Rachmaninoff 150th Anniversary Concert) 土田定克Tsuchida(P) ナターリア・コズローヴァKozlova(S)」

「土田定克(ピアノ) スクリャービン ピアノソナタ第2番「幻想ソナタ」 2023年7月9日 名取文化会館中ホール」

《編著者略歴》

土田 定克(ツチダ サダカツ)
1975年、東京生まれ。桐朋学園大学音楽学部ソリスト・ディプロマコースを経てモスクワ音楽院卒業、同大学院修了。小西由紀子、坂田晴美、兼松雅子、A.ムンドヤンツ、V.メルジャノフに師事。第3回ラフマニノフ国際コンクール第1位(2002年、モスクワ)。ロシア各地、ウクライナ、クロアチア、タイ、韓国等はじめ、国内(東京文化会館、東京オペラシティ、すみだトリフォニーホール、カザルスホール、練馬文化センター、横浜みなとみらいホール等)でも演奏会多数。名指揮者V.フェドセーエフ率いるモスクワ放送交響楽団や、M.タルブク率いるHRTクロアチア放送交響楽団、三ツ橋敬子指揮・東京フィルハーモニー交響楽団はじめザグレブ弦楽四重奏団など、オーケストラや室内楽との共演も多数。CD「ラフマニノフ 24のプレリュード」「ピアノ名曲集 乗り越えて」をリリース。2016年、自著『ラフマニノフを弾け』を上梓。同ロシア語版『Россия и Рахманинов глазами японского музыканта』もモスクワから出版。親善的な演奏活動に対し、ロシアのペルミ市長(2004年)や韓国の群山警察署長(2016年)、ウクライナの第2代大統領クチマ(2018年)より功労感謝状授与。尚絅学院大学教授。宮城学院女子大学音楽科非常勤講師。