演劇・戯曲
2024年05月23日

【改訂2版】演劇は仕事になるのか? 演劇の経済的側面とその未来

これからの演劇と劇場のマネジメントのために

演劇で食っていこうじゃないか、はたして食えるのか?…演劇・劇団をとりまく経済的側面とその未来について、経済的側面に焦点を当て、演劇と社会の関係を見直しつつ、演劇の成立のさせ方を考え直す。

2016年に刊行され、演劇本としては異例のロングセラーを記録した『【改訂新版】演劇は仕事になるのか?』の待望の改訂2版が、データ類を刷新、文化芸術基本法改正や制度改正を踏まえ、五、六、七章を改稿して新たに刊行!!

著者 米屋 尚子 著
ジャンル 演劇・戯曲
出版年月日 2024/06/18
ISBN 9784865981155
判型・ページ数 A5判・284ページ
定価 2970円(税込)
在庫 在庫あり
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内容説明

これからの演劇と劇場のマネジメントのために

演劇で食っていこうじゃないか、はたして食えるのか?…演劇・劇団をとりまく経済的側面とその未来について、経済的側面に焦点を当て、演劇と社会の関係を見直しつつ、演劇の成立のさせ方を考え直す。

2016年に刊行され、演劇本としては異例のロングセラーを記録した『【改訂新版】演劇は仕事になるのか?』の待望の改訂2版が、データ類を刷新、文化芸術基本法改正や制度改正を踏まえ、五、六、七章を改稿して新たに刊行!!

《目次》

はじめに――改訂2版を出すことにした、いくつかの理由

第一章 演劇のいま~日本の「劇団」は何を成してきたのでしょう?
 日本に劇団はいくつあるのですか?
 芸術活動は事業ですか?
 劇団が法人格を持つ意味
 俳優ではどうしても食えない?
  ちょっと深入り豆知識 コラム 劇場の座席数
 食える演劇、食えない演劇
 事業のパターンと公演場所
 舞台は〈時間の缶詰〉!
 芸術共同体としての「劇団」
 よそで稼いで舞台を支える
 観客組織という基盤
  ちょっと深入り豆知識 コラム 演劇鑑賞会のあゆみ
 小劇場運動が起こってから
 「劇団」から「プロデュース集団」へ
 商業劇場のオープンとプロデュース公演
 ちょっと深入り豆知識コラム プロデューサー・システムとプロデュース公演
 小劇場が育むもの

第二章 劇場って何でしょう?
 劇場を劇場たらしめるものとは?
 芝居小屋・劇場・公立ホール
 公立ホールはプロの舞台には不向き?
  ちょっと深入り豆知識 コラム 公立文化施設の名称の変遷に見る時代背景
  ちょっと深入り豆知識 コラム 批判も進化する?
 公立文化施設は劇場ですか?
 公共劇場の出現

第三章 芸術と公共政策との関係
 芸術文化振興基金のスタートと公的助成の「定着」
 そもそも、なぜ芸術に公的助成が必要なのでしょう?
  ちょっと深入り豆知識 コラム 『舞台芸術 芸術と経済のジレンマ』
  ちょっと深入り豆知識 コラム 公共財と芸術の価値
 公共財と準公共財
 経済学でいう価値について
 芸術助成の根拠と文化政策の理念
 芸術助成制度を整えにくいのはなぜ?
  ちょっと深入り豆知識 コラム 文化庁の創設と舞台芸術振興
 苦肉の策の連続
 重点支援の紆余曲折
 芸術団体の法人格と助成のしくみ
 日本にやってきた「アーツ・マネジメント」とは?
  ちょっと深入り豆知識 コラム アーツ・マネジメント教育事始め
 イギリスからアメリカへ
 日本での広まり方
 多様な価値のジャグリング
  ちょっと深入り豆知識 コラム 民間非営利組織と「市場の失敗」「政府の失敗」
 「見えざる手」だけでは実現しないこと
 非営利公益の組織という選択肢
 「森」を見てデザインする助成制度に
 継続的な助成制度を核に
  ちょっと深入り豆知識 コラム イギリスのアーツ・カウンシルの変遷
 つかず離れずの距離
 芸術政策から社会全体を意識した文化政策へ

第四章 隣の芝生、自分の庭
 「日本はダメよね」なのか?
 支流を集める大河と、支流が広がる平原
 「たしなむ」文化
 「日本の伝統」というステレオタイプ
 アマチュア文化のすごい国
  ちょっと深入り豆知識 コラム プロの定義、イギリスの場合
 イギリス演劇のプロの三つのカテゴリー
 プロには掟がある
 踊る阿呆に見る阿呆
 「八方美人」の公立文化施設

第五章 劇場法施行後の劇場と地域
 どのような観客を増やすのか
 各地に公共劇場の整備を劇場法の成立
  ちょっと深入り豆知識 コラム 「劇場法」にみる劇場の定義
 専門家がいなければ劇場じゃない
 「公の施設」の制約から踏みだす
 劇場法と劇場支援策
 地域主体じゃないと意味がない
 演劇ファンを増やす、その先に
 実演芸術の振興と学校教育
 コミュニケーション教育の拠点?
 演劇の力を応用する
 東京オリンピックと文化政策の変化
 あらゆる人々に文化芸術を
  ちょっと深入り豆知識 コラム ワークショップ、アウトリーチ……カタカナ語の意味
 ワークショップ流行りですが
 「コミュニティ」に「アウトリーチ」するって?

第六章 文化政策が変わり始めた
 文化芸術基本法への改正がもたらしたもの
 計画策定のプロセスで見えてきたこと
 政策評価のフレーム
 地方にも変化の波?
  ちょっと深入り豆知識 コラム 文化芸術基本法への改正
 きっかけは食文化
 大事な基本理念の改正
 文化芸術団体の役割
 調査研究
 そしてコロナ禍に見舞われた
 文化庁の京都移転と機能強化
 ポスト・コロナ、ウィズ・コロナの基盤づくりへ

第七章 どう変わるか、演劇のこれから
 演劇の創造現場は変わっただろうか?
 ツアー公演を増やす
 公共劇場のプログラムの充実と就労環境
 創造の核となる集団
 演劇人はどこで育つのか?
 創造環境は変わるだろうか?
 演劇がもたらす価値と経済
 演劇をめぐる循環とその支え方
 演劇集団の自由と選択の土台
 演劇人に求められること
 さらに求められること

結びに代えて ~アーツ・マネジメントのココロ~

初版あとがき

改訂2版 あとがき

《編著者略歴》

米屋 尚子(ヨネヤ ナオコ)
1960年富山県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。外資系銀行勤務を経て、1986年~88年、白水社『新劇』編集部に。フリーの演劇ジャーナリストなどを経て、91~93年、英国シティ大学大学院・芸術政策運営学科に留学(Postgraduate Diploma in Arts Administration, MA in Arts Criticism 修了)。93年、慶應義塾大学アートセンター立ち上げに携わった後、94~95年、米国コロンビア大学大学院(Teachers College)に芸術文化研究所客員研究員として留学。96年から2020年まで日本芸能実演家団体協議会に勤務。舞台芸術に関する調査研究、政策提言、研修事業などに携わった。2023年5月より、独立行政法人日本芸術文化振興会・基金部の文化施設担当プログラム・オフィサー。