2018年10月25日

様々な仕事で覚えたこと①

この歳になるまで、様々な仕事(アルバイトを含む)をしてきた。いろんな世界を見れて良かったと思う。

最初に給料をもらった仕事ってなんだろう。
たぶん、あのバイトだ。
遺跡発掘調査のアルバイト。夏休み中だけだったと思うが、高校生の時、初めて働いて金をもらったのが、それだ。
確か…時給は500円ぐらいだったような記憶がある。
子供の頃から古代遺跡とかに興味があって、一時は考古学者になりたいと思ったこともあったぐらいなので(インディジョーンズの影響もあったかも)、とても楽しみにして始めたアルバイトだった。
が…向かった発掘現場からは、なかなかたいした遺跡は見つからず、掘り続けて、やっと出たか!という段階になると、教育委員会のプロの発掘調査の大人達がそこからは慎重に掘るので、触らせてもくれない(高校生バイトに遺跡を破壊されることを恐れていたんだと思う)、というわけで結局、たいして楽しくもなく、ほぼ肉体労働、土方と変わらない仕事内容だった。

その次にやったアルバイトは、確か郵便局の年賀状の配達。これは結構キツかった。高校生で免許ももっていないので、当然配達は自転車だ。古い郵便局のデカくて重い自転車に、大量の年賀はがきを積んで郵便局を出発する。問題は自宅の近所の配達地域にやたらと坂が多かったことだ。大量の年賀はがきを積んだ自転車はやたらと重く、坂道を押して上がるのはかなりキツかった。配達は、自宅の近所だから友達の家にも配達したりしたが、意外に近所でも気づかなかった奥まったところにある家々、普段入らない路地、それぞれ微妙に違うポストのタイプや位置、それを知るのが結構新鮮で面白かった。

その後にやったアルバイトは、新聞配達。これはちょっと苦学生とか、苦労に憧れていた思春期に、一度やってみたかったアルバイトだった。親のいない子が、学費を稼ぐために朝早く起きて新聞配達をする。そんなイメージがあったが、自分は、普通のサラリーマン家庭に育ち、世間に不幸と言えるほどの不幸はなかった普通の家庭だったので、そんなアルバイトする必要はなかったのだけれど、「苦労している若者=なんかかっこいい」という、普通の家庭の子供の屈折したコンプレックスだったのかもしれない。


この記事の執筆・監修者

春日俊一(かすが・しゅんいち)
株式会社アルファベータブックス代表取締役。埼玉県生まれ。
若い頃はシンガーソングライターを目指しながらフリーター。その後、書店員、IT企業、出版社の営業部を渡り歩いたのち、2016年にアルファベータブックスに入社。2018年に事業承継して代表取締役に就任。