2020年11月12日

持ち込み企画

前に弊社に持ち込まれた企画で(突然、大きな封筒で原稿が送られてきた企画で、手紙を送るだけで著者には合わずに終わった)、内容は面白かったんだけど、たぶん弊社で売るのはかなり難しいと思って、しかもその頃がちょうどコロナ禍で冒険もできそうもないので、「すみません弊社からは出せそうにないです」と断ったその企画が、今日、ディスクユニオン御茶ノ水に行ったら某人文系のわりと有名な出版社から先月刊行されていた。

装幀もかっこよく、丁寧に編集されていて、私はこの企画のWordのまだ整理されてない元原稿しか見ていないので、「ほう…こんな風に仕上げるなんて、やっぱりこの出版社の編集者はすごいなあ」と思わず感心してしまった。

この出版社で、この企画は本になる運命だったんだろうなあ、などと思いつつ、今の、忙し過ぎて新しい企画を吟味する余裕がない自分に、少々イラつく。

もっと早く、それでいて丁寧で、面白く、しかも売れる本を作れるような能力を身につけないと、明日はないのだろうなあ、とも思う。

寒さが少しキツくなってきた御茶ノ水、日販本社前の家系ラーメン屋にて。今日はスープを飲み干さずに店をあとにした104キロ48歳。


この記事の執筆・監修者

春日俊一(かすが・しゅんいち)
株式会社アルファベータブックス代表取締役。埼玉県生まれ。
若い頃はシンガーソングライターを目指しながらフリーター。その後、書店員、IT企業、出版社の営業部を渡り歩いたのち、2016年にアルファベータブックスに入社。2018年に事業承継して代表取締役に就任。