即返しないで!
書店の皆様へ
今日、POSデータを見ていたら、取次会社から配本された翌日に弊社の本を返品された書店さんがいました。
すごく……ショックです。泣きたくなります。
できれば即返品は、おやめいただきたいです。
せめて一週間でもいいので、並べていただきたいです。
せめて一週間……。
そんな簡単に売れる売れないが分かりますか?
1冊ぐらい、少し置いておいてもらってもいいのでは?
即返品は、取次会社の送返品に無駄なコストをかけますし、本も痛みます。
なりより、出版社のやる気が削がれます。
全く売れない、全く価値がない、そんな本を作ってはいません。作家さんが身を削って書き、作家と編集者で、それを本にするために、短くても3ヶ月、長いと4年もかけて、研磨して本に仕上げていきます。
そして、作家と編集者だけで本を作って読者に届けるのではありません。本をデザインしたデザイナー、組版したオペレーター、取次や書店に営業した営業スタッフ、印刷した印刷会社、製本した製本会社、用紙を納品した紙屋さん、仕入れて配本した取次会社さん、本をトラックに積んで届けた運送の人たち、多くの人の力があって、書店に本が届いています。
それを棚に並べもしないで返品する、その行為がどれだけ虚しいことか、考えてください。
それでも即返品したいのならば、もう取次会社からの配本は止めてもらってください。
この記事の執筆・監修者
春日俊一(かすが・しゅんいち)
株式会社アルファベータブックス代表取締役。埼玉県生まれ。
若い頃はシンガーソングライターを目指しながらフリーター。その後、書店員、IT企業、出版社の営業部を渡り歩いたのち、2016年にアルファベータブックスに入社。2018年に事業承継して代表取締役に就任。