2023年04月14日

【書店さんへのお願い】即返品はやめてください‼

あの…取次会社から配本された当日に即返品するのはやめてください…(涙)
先日、某チェーン店の、弊社が閲覧契約していて見ることができるPOSデータ(本の実売データ)を見ていたら、届いたばかりの弊社の新刊書籍が、2冊届いた日に2冊とも返品されていました。
ショックです……

棚に一度も陳列されることもなく返品される、いわゆる業界用語で「即返」は、出版社にとっての損失だけでなく、当然ですが送品している取次会社さんにとっても損失が大きく、書店さんにも結果的に損失があると思います。なにしろ送品した物流コストがまったくの無駄になったうえ、返品のコストもかかり、そしてその送品・返品の際に本が傷むことがあります。
そして一番辛いのは、出版社も著者もやる気を削がれます。

せめて一週間だけでも陳列していただきたいです。資本力が無く、大変な書店さんもいると思うので強制はできませんが、大きなチェーン店でそういうことが日常的に行われているのは、やはりおかしいと思います(たまにではなく、今までに何度も即返がありました。新刊が出るたびに全書店をチェックしているわけではないので、気づいたのはごく一部だと思います)。

ちなみに、私は若い頃、三つの会社の書店で働いたことがあるので書店員の気持ちも理解できたうえで申しております。
私が書店員のころは、たとえあきらかに自費出版で売れそうになくても、棚には一度は並べるようにしていました(なんか本が可哀そうだし。物流コストをドブに捨てるような行為はできればしたくなかった)。

本は、時間をかけて作ります。長いものでは4年かけて作るものもあります。著者も一生に何冊も出せる人がいるわけでもなく、身を削って書いている人もいます。無理は言ってません。せめて一週間だけでも並べてください。売れなかったら返品はやむを得ないことは重々承知しております。

僅かな時間でもいいのです。
舞台に立たせてあげてほしいです。

それはまるで、所属している芸能事務所から「今日はあそこの劇場に出てくれ」と言われて向かった先の劇場で、劇場主から「呼んでないし、そもそも勝手に来たんだから、舞台には上がらないで、そのまま帰ってくれ」と言われて、交通費は無駄になり、そして傷ついてトボトボと疲れて帰る売れない役者みたいです(売れない役者でもそんなことは起こらないはず)。